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健診でeGFRが低い・尿たんぱく陽性と言われたら|結果票の見方と受診の目安
一般内科健診・各種検査
秋の健診結果が届き、「eGFRが低い」「尿たんぱくが陽性」と書かれていて驚いた方はいませんか。腎臓の異常は自覚症状が乏しいことが多いため、結果票をしまい込まず、必要な再検査につなげることが大切です。
一方、1回の数値だけで慢性腎臓病(CKD)と決まるわけではありません。
健診の「受診勧奨」と病気の「診断」は別の段階です。結果の意味と、次に確認することを整理しましょう。

eGFRと尿たんぱくは、腎臓の別の面を見ています
eGFRは「血液をろ過する力」の目安
eGFR(推算糸球体ろ過量)は、血清クレアチニン、年齢、性別から腎臓のろ過能力を推定した値です。低いほど腎機能の低下が疑われますが、年齢、筋肉量、脱水、体調などの影響も受けるため、数値だけで原因は分かりません。前年からの変化を見ることも重要です。
尿たんぱくは「腎臓のフィルターからの漏れ」のサイン
尿たんぱくは、通常は血液中に保たれるたんぱく質が尿へ漏れていないかを見る検査です。高血圧や糖尿病、腎炎などで陽性になる一方、激しい運動や発熱などの後に一時的に出ることもあります。「一時的か、続いているか」を再検査で確かめます。
神戸市国保特定健診では、尿糖・尿蛋白・尿潜血に加え、血清クレアチニンとeGFRが基本的な検査項目に含まれています。
1回の異常だけでCKDとは診断されません
日本腎臓学会の基準では、eGFR 60mL/分/1.73m²未満、または蛋白尿など腎障害を示す所見のどちらか一方、あるいは両方が3か月を超えて続く場合にCKDと診断します。
つまり、健診でeGFRが60未満だったとしても、その1回だけでCKDと確定するわけではありません。
ただし「3か月待てばよい」という意味でもありません。値の程度、尿所見、症状、過去の結果によっては、早めの評価が必要です。
再検査では何を確認する?
医療機関では、健診結果や体調に応じて次のような確認を行います。
- 尿検査の再検(必要に応じて早朝尿、尿沈渣、尿蛋白の定量)
- 血清クレアチニンとeGFRの再確認
- 血圧、血糖・HbA1cなど生活習慣病の確認
- 服用中の薬やサプリメント、市販の鎮痛薬、発熱・下痢など最近の体調の聞き取り
- 必要に応じた腹部超音波検査や専門医への紹介
受診時は、今回と過去の健診結果、お薬手帳を持参すると比較しやすくなります。自己判断で水分を大量に取ったり、たんぱく質を極端に減らしたり、薬を中止したりしないでください。
早めに受診したい目安
厚生労働省の健診プログラムでは、尿たんぱく1+以上、またはeGFR 45未満は医療機関への受診が勧められています。日本腎臓学会は、40歳未満ではeGFR 60未満も受診勧奨の目安としています。
結果票に「要受診」「要精密検査」とある場合は、記載された期限を優先してください。
次のような場合も、先延ばしにせず相談しましょう。
- 尿たんぱくと尿潜血の両方が陽性
- 前年よりeGFRが大きく低下している
- 高血圧、糖尿病、心臓病がある
- むくみ、尿量の減少、肉眼で分かる血尿、強いだるさがある
息苦しさを伴う急なむくみ、尿がほとんど出ない、意識がぼんやりするなど強い症状がある場合は、通常の予約を待たず、救急受診も含めて相談してください。
まとめ
eGFR低下と尿たんぱく陽性は、腎臓の状態を詳しく確認するきっかけです。健診の基準値とCKDの診断基準を混同せず、再検査で持続性と原因を確かめることが大切です。個別の診断や治療方針は、年齢、持病、薬、過去の推移を含めて医師が判断します。
小野クリニックでは、一般内科で健康診断の異常について相談できます。須磨区・垂水区で結果の見方を聞かれたいという方は、健診結果とお薬手帳をご持参ください。
執筆者情報

医師
小野 正大ONO MASAHIRO
小野クリニックは、地域の皆様の健康を支える「身近なパートナー」です。
内視鏡検査を通じて、病気の予防と早期発見をサポートし、笑顔あふれる毎日を共に築きたいと考えています。
経歴
-
2014年
香川大学医学部卒業 -
以降、香川大学医学部附属病院および、関連病院で消化器内科医としてキャリアを積む -
2017年
香川大学医学部附属病院 消化器内科医員 -
2021年
香川大学大学院にて医学博士号取得 -
2023年
香川大学医学部附属病院 地域医療連携医学講座講師 -
2024年
香川大学医学部附属病院 地域医療連携医学講座准教授
資格・認定
- 医学博士
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本胆道学会認定指導医
- 日本消化管学会専門医
- 日本ヘリコバクター学会H.pylori感染症認定医
- 日本病院総合診療認定医
- 上部内視鏡スクリーニング認定医
- 大腸内視鏡スクリーニング認定医
- 難病指定医
