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大腸カメラのADR(腺腫検出率)とは?|ポリープ発見率の目安とがん予防の関係を、須磨区の内視鏡専門医が解説
内視鏡検査消化器内科
こんにちは。小野クリニックです。
大腸カメラを受けるなら、「ポリープをしっかり見つけてもらえる検査」を選びたい方は多いと思います。実は、大腸カメラの「見つける力」を測る国際的な指標があります。それがADR(腺腫検出率)です。
この記事では、ADRとは何か、なぜ大腸がんの予防と関係するのか、検査を受ける側が知っておくとよいポイントをまとめます。

ADR(腺腫検出率)とは何ですか?
ADRは、大腸カメラを受けた方のうち、腺腫(せんしゅ)が1個以上見つかった方の割合です。医師ごと、施設ごとに集計され、大腸内視鏡検査の質を測る代表的な指標として世界中で使われています。
似た言葉に「ポリープ発見率」がありますが、こちらはポリープ全般が対象です。ADRはそのうち、病理検査で「腺腫」と確認されたものが見つかった検査の割合に限って数えるため、より厳密な指標とされています。
なぜ腺腫を見つけることが、がん予防になるのですか?
大腸がんの多くは、最初からがんとして発生するのではなく、腺腫という良性のポリープが、年月をかけて少しずつ変化して生じると考えられています。腺腫はいわば「がんの芽」です。
大腸カメラでは、この腺腫の段階で見つけて、その場で切除できます。日本の学会のガイドラインでも、腫瘍性のポリープに対する内視鏡切除は、大腸がんによる死亡を抑えるために推奨されています。つまり、「腺腫をどれだけ見つけられるか」は、そのまま「将来のがんをどれだけ防げるか」に結びつくのです。
ADRの目安は、どれくらいですか?
目安として広く知られているのが、米国の内視鏡学会・消化器病学会が示した基準です。
症状のない、平均的なリスクの方を対象としたスクリーニング検査で、全体で25%以上(男性30%以上、女性20%以上)が目標とされてきました。2024年の改訂では、この目標は35%以上に引き上げられています。
ただし、ADRは受ける方の年齢や性別、検査の目的によって変わります。たとえば便潜血陽性の方の精密検査では、もともと腺腫が見つかる割合が高くなります。数字はあくまで「検査の質を考えるための目安」と受け止めてください。
ADRが高い医師の検査では、何が違うのですか?
ADRと将来のがんリスクの関係は、大規模な研究で確かめられています。米国の約31万件の大腸カメラを分析した研究では、ADRが1%上がるごとに、検査のあと次回の検査までの間に見つかる大腸がんのリスクが3%ずつ下がり、ADRが最も高いグループの医師と最も低いグループでは、そのリスクに約2倍の差がありました。
見逃しを減らす工夫としては、スコープを引き抜くときに時間をかけて丁寧に観察すること(観察時間の目安は6分以上)や、腸の中をきれいに洗浄しておくことなどが、ADRと同じく検査の質の指標として挙げられています。
ADRだけを見れば安心ですか?
ADRは大切な指標ですが、数字だけでは判断できません。先ほど触れたとおり、受ける方の顔ぶれによって数値は上下しますし、そもそもADRを集計・公表していない施設も少なくありません。
数値の有無よりも、「小さなポリープも見逃さないよう観察や洗浄に力を入れているか」「見つけたポリープにどう対応するか」といった姿勢が大切です。気になる場合は、診察のときに遠慮なく質問してみてください。
検査を受ける側にできることはありますか?
あります。いちばん大きいのは、検査前の下剤による腸の洗浄を、指示どおりきちんと行うことです。
腸の中に便が残っていると、ポリープが隠れて見つけにくくなります。下剤を自宅で飲むのが不安な方は、院内で服用できる施設もありますので、相談してみてください。
また、健診で便潜血陽性と言われた場合は、症状がなくても精密検査を受けることが、腺腫やがんを早い段階で見つける近道です。
まとめ|見つける力が、将来のがん予防につながります
ADRは、大腸カメラの「見つける力」を数字で表した指標です。腺腫を見つけて取り除くことが将来の大腸がん予防につながるからこそ、検査の質には大きな意味があります。受ける側も、下剤の準備をきちんと行い、便潜血陽性を放置しないことで、その力を引き出すことができます。
神戸市須磨区の小野クリニックでは、内視鏡専門医がすべての内視鏡検査を担当しています。大腸カメラやポリープについて気になることがあれば、まずはお電話(078-739-2552)でご相談ください。
🏥小野クリニック(循環器内科、消化器内科、外科、小児科)
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執筆者情報

医師
小野 正大 院長
- 日本内科学会 認定医・総合内科専門医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本消化器病学会 専門医
- 日本循環器学会 専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
兵庫県神戸市須磨区の小野クリニック院長を務める。消化器内視鏡を専門とし、胃カメラ・大腸カメラ検査を中心に、地域の皆様の健康を支えている。内視鏡検査に対する不安や疑問に丁寧に向き合い、安心して受けられる検査体制づくりを大切にしている。
