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高血圧の食事:減塩だけじゃない(外食・コンビニの選び方)
一般内科
高血圧の食事で、最初に知っておきたいこと(減塩だけじゃない理由)
塩分と血圧の関係:なぜ意識が必要?
高血圧(血圧が高い状態)は、体の不調を感じにくいことがあります。けれど、長い間続くと、脳卒中(脳の血管の病気)や心臓の病気のリスクが高くなることが知られています。
その中で、塩分(食塩)は血圧に影響しやすい要素のひとつです。
日本の高血圧のガイドラインでも、塩分をとりすぎると血圧が上がりやすく、減塩が血圧を下げる助けになると説明されています。
また、厚生労働省の国民健康・栄養調査(国が行う食生活の調査)では、20歳以上の食塩摂取量の平均が 9.8g/日(男性10.7g、女性9.1g) と報告されています(令和5年)。
「気をつけているつもりでも、知らないうちに多くなる」ことが、減塩が難しい理由のひとつです。
神戸市・須磨区でも、外食や買ってきた食事が増えると、塩分が多くなりやすいので注意が必要です。

「減塩=味がしない」を避ける考え方
減塩でつまずきやすいのは、「薄味=がまん」と感じてしまうことです。
ポイントは、「塩を減らす」だけでなく、「塩に頼らない味」に変えることです。
塩分を増やさずに、おいしさを出す工夫
- だし(うま味の土台)をしっかり使う
- 香味(香り:ねぎ・しょうが・しそなど)を足す
- 酸味(すっぱさ:酢・レモンなど)で味を引きしめる
- こしょう・唐辛子(からさ)で満足感を上げる
同じ塩分でも「おいしい」と感じやすくなると、続けやすくなります。



生活習慣病としての高血圧:食事以外も関係する
高血圧は生活習慣病(生活のしかたが関係する病気)なので、食事だけで決まるわけではありません。
たとえば、次のようなことが重なると、血圧が上がりやすくなることがあります。
- 体重(体の重さ)
- 運動(体を動かす習慣)
- 睡眠(休む時間)
- 飲酒(お酒の習慣)
- ストレス(心と体の負担)
この記事では、まず「塩分」を中心に、外食・コンビニの工夫をまとめます。
まず目標を決める:塩分量を「見える化」しよう
1日の塩分量の考え方(目安の立て方)
高血圧の予防や治療(血圧を整える取り組み)の考え方として、日本のガイドラインでは 「1日6g未満」 を目標にすることが示されています。
ただ、いきなり完ぺきを目指すと続きません。まずは「できることを1つ」からで十分です。

まずはここから(段階をつくる)
- 外食が多い人:まずは 汁物を残す
- 家でできることから:しょうゆ・ソースは “かける”→“つける”
- 慣れてきたら:加工食品(味付きの食品)は 毎日→回数を減らす
食品表示の読み方(食塩相当量・ナトリウム)
買い物で役立つのは、パッケージの 食塩相当量(塩分をgで表した表示) です。
もし表示がナトリウム(塩の成分)だけの場合は、次の計算が使えることがあります。
- 食塩相当量(g)=ナトリウム(g)×2.54
数字で「どれが塩分が多いか」がわかると、選ぶのがぐっと楽になります。
「隠れ塩分」が多い食品・メニューの特徴
塩分が多くなりやすいのは、だいたい次のパターンです。
- 汁やスープが多い(ラーメン、うどん、鍋のつゆなど)
- 味が濃い・タレが多い(丼、照り焼き、ソース系)
- 漬物・練り物・加工肉(ハム、ベーコンなど)
- “おかずになる味”の惣菜(唐揚げ、フライ、味付きサラダなど)
「主食+汁+味の濃い主菜」がそろうと、塩分は増えやすいと考えてください。
外食・コンビニの選び方:注文前に決まる3つのルール
定食・丼・麺類の選び方(塩分が集まりやすい場所)
外食は、選ぶ時点で差がつきやすいです。まずはこの3つに分けて考えます。
- 定食:調整しやすい(汁を残す/小鉢を野菜系に)
- 丼もの:タレが全体にからみやすい(「つゆだく」は避ける)
- 麺類:汁に塩分が集まりやすい(スープを全部飲まない)
麺類はとくに、スープを飲む量で塩分が大きく変わることがあります。
スープ・汁物・たれの扱い方(残す/別にする)
同じメニューでも、ここを変えるだけで差が出ます。
- 汁物は 「半分残す」 をルールにする
- タレ・ドレッシングは 別にできるなら別にする
- しょうゆは 小皿につける(つける量を自分で決められる)
「全部やる」より、まずは1つ決めるのがコツです。
追加注文・サイドで調整(野菜・たんぱく質)
外食で塩分を下げたいときは、「減らす」だけでなく、「増やすもの」を決めると整えやすくなります。
- 野菜(食物繊維:お腹の調子を整える成分)を追加
- たんぱく質(体を作る栄養:肉・魚・卵・大豆)を「揚げ物以外」で選ぶ
- 味の薄い副菜(冷奴、枝豆、サラダなど)を足す
コンビニでの選び方:組み合わせで塩分を下げる
主食(おにぎり・パン・麺)を選ぶポイント
主食は「1つだけ」よりも、組み合わせで考えるのが大事です。
- おにぎり:味付き(炊き込みなど)より、シンプルなものを選びやすい
- パン:惣菜パンは具とソースで塩分が増えやすい
- 麺:スープを飲む前提だと塩分が増えやすい(つけ麺なども含む)
迷ったら、食塩相当量を見て比べるのが確実です。
主菜(肉・魚・卵・大豆)を選ぶポイント
コンビニの主菜は味付きが多いので、次を意識します。
- タレが多いものより、素材に近いもの(例:ゆで卵、冷奴など)
- 揚げ物は回数を決める(毎日ではなく、回数を調整する)
- 魚は便利ですが、味付きは塩分が上がることがあるため、表示を確認する
副菜(サラダ・海藻・野菜)で整える
副菜は、減塩の「クッション(調整役)」になります。
- サラダはドレッシングを 半分に
- 海藻や野菜系のおかずで、口の中をリセットする
- 具だくさん味噌汁は便利ですが、汁物なので 量や回数は意識する
「買ってはいけない」ではなく「回数と量で調整」
高血圧の食事は、禁止よりも 続けられる形が大切です。
- 好きなものは「ゼロ」ではなく、回数を決める
- 同じ塩分でも、汁を残す/タレを減らすで調整できる
- うまくいかない日は、次の食事で整える(引きずりすぎない)
減塩を続けるコツ:味付け・調理・食べ方
減塩でも満足しやすい味の作り方(だし・香味・酸味)
家の食事が変わると、外食も選びやすくなります。
- だし(うま味):昆布・かつおなどで土台を作る
- 香味(香り):ねぎ・しょうが・にんにく・大葉など
- 酸味(さっぱり):酢・柑橘・梅など
- 塩は最初から入れすぎず、最後に少しだけ調整
調味料の選び方(しょうゆ・みそ・だし・加工品)
調味料は「何を買うか」より、どう使うかが大事です。
- しょうゆ・ソース:かけない、つける
- みそ:具だくさんにして汁を少なめに(汁の量を減らす)
- 市販のだし:塩分が入っていることがあるため表示を確認する
- 加工品:便利ですが塩分が入りやすいので、回数で調整する
食べ方の工夫(順番・ゆっくり)
食べ方も、塩分の「感じ方」に影響します。
- 最初から濃い味に行かない(野菜→主菜→主食の順など)
- よく噛む(満足感が上がる)
- 濃い味は「量を減らす」より、食べる速度を落とす
受診の目安:食事だけで不安なときに確認したいこと
家庭血圧の測り方と記録
血圧は家で測る血圧(家庭血圧:自宅で測る血圧)も大切です。日本のガイドラインでは、朝と晩に測る方法が示されています。
- 朝:起きて1時間以内、朝食前、薬を飲む前(降圧薬:血圧を下げる薬の前)
- 晩:寝る前
- イスに座って1〜2分休んでから測る
- 1回の機会に2回測って、平均をメモする
血圧手帳やメモがあると、診察で状況を整理しやすくなります。
受診時に医師へ伝えるとよい情報
受診のときは、次の情報があると話が進めやすくなります。
- 家庭血圧(いつ・どのくらい)
- 食事のパターン(外食・コンビニの回数、汁を飲む習慣など)
- 体重(最近の増減)
- 運動(歩く量など)
- 飲酒(回数・量)
まとめ
今日からできる行動
- 麺類のスープ・汁物は「半分残す」をルールにする
- タレ・ドレッシングは別にして、まず半量
- しょうゆは「かける」より「つける」
- コンビニは「主食+主菜+副菜」で整える(単品買いを減らす)
- 食塩相当量(表示)を、まずは1品だけでも見る
受診を考えるべきサイン
- 家庭血圧が高めの日が続く、または急に上がってきた
- 食事を工夫しても血圧が安定しにくい日が続く
- 動悸(脈がドキドキする感じ)や息切れ(息が苦しい感じ)が増えた
- 頭痛(頭が痛い)・めまい(ふらつき)がくり返し起きる
- 薬の飲み忘れが多く、調整が必要かもしれないと感じる
小野クリニックでできること
神戸市須磨区の小野クリニックでは、高血圧などの生活習慣病について、家庭血圧の記録や普段の食事内容をもとに、無理のない目標の立て方や続ける工夫を一緒に整理します。気になる方は、まずは血圧のメモや血圧手帳をお持ちください。

🏥小野クリニック(循環器内科、消化器内科、外科、小児科)
📍 兵庫県神戸市須磨区須磨寺町2-7-5(3階)
🕒 平日 9:00–12:30/17:00–19:30(水・土は午前のみ)
📞 078-739-2552
