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子どもにとってのインフルエンザ。ワクチンを打つ・打たないでどう違う?

インフルエンザは、発熱や咳だけでなく脳症や肺炎などの重い合併症を起こすことがあります。
特に日本では毎年、100〜200人の子どもが「インフルエンザ脳症」を発症しています
2023〜2024年シーズンには189人
が報告されました。
多くは回復しますが、後遺症や命に関わることもあります。

ワクチンを打つと何が変わる?

複数の研究で、インフルエンザワクチンが重症化を防ぐ効果があることが確かめられています。

  • 米国の研究では、小児の「命に関わるほどの重症のインフルエンザ」が75%減少。(Olson SM et al., Clin Infect Dis, 2022)
  • 入院が必要になるケースが約56%減少。(Sumner M et al., JAMA Netw Open, 2024)
  • 家の中での感染も約2割減(Grijalva CG et al., JAMA Netw Open, 2024)。

つまり、ワクチンを打つことで「かかる確率を減らす」だけでなく、
かかっても重くならない」可能性が高まります。

ワクチンには2種類ある

現在、日本で子どもに接種できるインフルエンザワクチンは主に次の2種類です。

種類名称・製品例接種方法対象年齢特徴
不活化ワクチン一般的な注射タイプ皮下注射生後6か月〜安全性が確立。
妊婦も可。
経鼻生ワクチンフルミスト鼻にスプレー2〜19歳未満痛くない。
自然感染に近い免疫反応。
免疫応答が広い。
皮下注射様のワクチン

フルミスト(経鼻ワクチン)の特徴

点鼻用のワクチン

フルミストは、鼻の粘膜に弱毒化したウイルスを吹きかけるタイプのワクチンです。
2024年、日本でも正式に接種が開始されました。

  • 鼻に噴霧するだけ
  • 鼻やのどの粘膜で免疫ができるため、感染初期でウイルスをブロックしやすい
  • 複数の型に反応する広い免疫応答が報告されています。
  • 一般的な注射ワクチン(IIV)よりも、流行型によっては発症予防効果が高い季節もある。
  • 家庭内二次感染を21%低減させる。(Grijalva CG et al., JAMA Netw Open, 2024)。
  • 2歳未満、基礎疾患のある子、喘息や免疫低下のある子には推奨されません。
  • 高熱や急性鼻炎のあるときは延期。
  • 妊娠中の方には接種不可。
  • 他の生ワクチン(例:水ぼうそう、麻しん風しん)とは4週間あける。

ワクチン接種で小児の発症・入院が約半分以下に減り、家庭内での二次感染も約21%減ることが確認されています。

ワクチンを打つことで、「自分を守る」だけでなく、家族や園・学校での感染拡大を防ぐ効果もあります。

  • 注射タイプ:腕の赤み・痛み(10〜20%)、発熱・倦怠感(5〜10%)。
  • フルミスト:くしゃみ・鼻水・軽い鼻づまりが一時的に出る程度。
  • 重い副反応はまれで、多くは2〜3日以内に軽快します。

どのくらいの年齢から?

  • 不活化ワクチン:生後6か月〜13歳未満は2回接種。(2週間〜4週間あけて2回目を接種)
  • フルミスト2〜19歳で接種可能(年1回)。

どちらも効果が出るまで2週間ほどかかるため、10〜11月ごろに接種開始が理想です。

小野クリニックでは両方のワクチンを取り扱っておりますが、フルミストは予約制となります。
小野クリニックに電話

助成額について

神戸市在住の方には神戸市から助成が出ます。
詳しくはこちらからご確認ください。

まとめ

  • 日本では毎年100〜200人の子どもが脳症になる。
  • ワクチンで重症化や入院が半減
  • 家庭内感染も約2割減少。
  • フルミスト(経鼻)は痛くなく、免疫応答が広い新しい選択肢。
  • 同時接種も可能で、副反応は軽く一過性

インフルエンザは「ただの風邪」ではありません。
ワクチン接種は、子ども自身を守るだけでなく、家族全体の安心にもつながります。

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