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大腸ポリープを早めに取ると、がん予防の効果がこんなに違う!

近年、日本では大腸がんが男女あわせて最も多いがんのひとつになっています。
がんによる死亡数の部位別順位では男性では2位 (1位は肺がん)、女性では1位です。
その多くが、「ポリープ」から始まることをご存じでしょうか。

大腸の内側(粘膜)が少し盛り上がった部分を「ポリープ」と呼びます。
多くは良性ですが、腺腫性ポリープというタイプは、時間をかけてがん化することがあるため注意が必要です。

がんの多くは
「正常の粘膜 → 腺腫(ポリープ) → がん」
という流れで進行します。
このため、ポリープのうちに取ることが「最大の予防」になります・

内視鏡でポリープを切除した人では、
大腸がんの発生が約70〜90%減ったという研究報告があります(New England Journal of Medicine, 1993)。
つまり、早めに取っておくことで10人中7〜9人はがんを防げるということです。

  • 5 mm以下の小さなポリープ:がん化率は 0.5%以下
  • 5〜10 mm:約7%
  • 10〜20 mm:約25〜30% がすでにがんを含むことも
    (※日本消化器内視鏡学会データより)

小さいうちに見つけて取れば、その日のうちに帰宅できる日帰り切除で済むことがほとんどです。

進行がんになると、手術・入院・抗がん剤などが必要になることがあります。
ポリープ段階で切除すれば、

  • 入院なし
  • 麻酔で眠っている間に処置
  • 大腸カメラでの手術のため体表への傷跡がつかないことや体への負担が軽い
    といった低侵襲治療で済みます。

ポリープを取っておくと、次にがんになる確率も下がることが分かっています。
追跡研究では、切除後に定期フォローを行った人は、そうでない人に比べて
大腸がんによる死亡が約50%減少したと報告されています。

「便潜血検査で陽性だった」以外にも、次のような症状でも検査をおすすめします。

  • 便秘が続く
  • 便が細くなった
  • お腹の張りや違和感がある
  • 下痢と便秘をくり返す
  • 便に血が混じる(痔と思っても要注意)

便潜血が陰性でもポリープや早期がんが見つかることは少なくありません。
40歳を過ぎたら、一度は大腸カメラを受けておくと安心です。
大腸カメラの検査の詳しい流れはこちらをご参照ください。

  • 鎮静剤を使った眠ってできる大腸カメラ
  • 検査中に見つかったポリープはその場で日帰り切除
  • 病理検査で「がん化の有無」までしっかり確認
    を行っています。

「痛い」「怖い」というイメージをなくし、
これなら受けられる」と思ってもらえる検査を目指しています。

状況がん化リスク治療の負担
小さいポリープ(〜5mm)約0.5%日帰り切除可
中〜大サイズ(10〜20mm)約30%日帰り切除可(大きさによっては他院へ紹介する可能性もあり)
放置してがん化高リスク開腹手術・抗がん剤など

ポリープを早めに取る=がんを未然に防ぐという、もっとも確実な「予防治療」です。
須磨区・垂水区・長田区など近隣の皆さまも、ぜひ一度ご相談ください。

🏥小野クリニック(循環器内科、消化器内科、外科、小児科)
📍 兵庫県神戸市須磨区須磨寺町2-7-5(3階)
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