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糖尿病とは?原因・症状・治療法をやさしく解説

糖尿病は「血糖値(血液中のブドウ糖の量)」が高い状態が続く病気です。
本来、食事でとった糖は膵臓から出るホルモン「インスリン」の働きによって、体のエネルギーとして使われます。

ところが糖尿病では

  • インスリンが十分に出なくなる
  • インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)

といった理由で、血糖がうまく処理できず、高いままになってしまいます。

糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 1型糖尿病:免疫の異常などで膵臓がダメージを受け、インスリンがほとんど出なくなるタイプ。
  • 2型糖尿病:食生活、運動不足、肥満、加齢などが重なって発症するタイプ。日本では約9割がこちらです。

厚生労働省の調査によると、日本では糖尿病が強く疑われる人が約1,000万人
その予備群も含めると、実に2,000万人以上が血糖コントロールに注意が必要とされています。

多くの人が「自覚症状がないまま」進行しており、気づいた時には合併症が始まっていることもあります。

糖尿病の診断は、血液検査で次のような値をもとに行われます。

検査項目糖尿病型の基準
空腹時血糖126mg/dL 以上
随時血糖200mg/dL 以上
75gブドウ糖負荷試験 2時間値200mg/dL 以上
HbA1c6.5% 以上

※一度の検査だけでは確定せず、別の日にもう一度測定して確認します。
(出典:日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』)

多くの場合、次のような生活習慣や体質が関係します。

  • 炭水化物・脂質の多い食事、過食
  • 運動不足
  • 肥満(特に内臓脂肪型)
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 遺伝的な体質

特に「内臓脂肪型肥満」はインスリンが効きにくくなる原因です。
やせていても筋肉量が少ない人は注意が必要です。

糖尿病は「血糖が高いだけの病気」ではありません。
血液中の糖が血管や神経を傷つけ、全身の合併症を起こします。

  • 網膜症(目の病気):視力が落ち、失明の原因になることも。
  • 腎症(腎臓の病気):悪化すると人工透析が必要になることがあります。
  • 神経障害:手足のしびれや感覚低下。けがに気づかず感染することも。
  • 動脈硬化:心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。

これらはゆっくり進行するため、早期発見と日々の管理がとても大切です。

治療は大きく「生活療法(食事・運動療法)」「薬物療法」「インスリン療法」に分かれます。
まず最初に取り組むのは、生活療法です。

  • 栄養バランスを整え、食べすぎを防ぐ
  • 野菜・魚・大豆などを多く取り入れる
  • 炭水化物(ご飯・パンなど)は量と時間を意識
  • 清涼飲料水やお菓子を控える
  • 1日30分ほどのウォーキングなど、無理のない範囲で
  • 毎日少しずつでも続けることが大切

生活を整えても血糖が下がらない場合は、
内服薬(メトホルミン、SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬など)や
注射(GLP-1作動薬、インスリンなど)を併用します。

  • 定期的に血糖値・HbA1cをチェック
  • 体重を測る
  • 規則正しい生活・睡眠
  • ストレスのコントロール
  • 目・腎臓・神経の検査を年に1回は

こうした「ちょっとした積み重ね」が、合併症を防ぎ、長く健康に過ごすための鍵になります。

  • 健診で血糖やHbA1cが高めと言われた
  • 最近、体重が減ってきた・疲れやすい
  • 口が渇く・トイレの回数が多い
  • 家族に糖尿病の人がいる

こうした方は、早めに受診して検査を受けることをおすすめします。

当院では、

  • 血糖・HbA1cのチェック(院内で10分程度で結果が出ます)
  • 生活習慣の相談(食事・運動)
  • 合併症の予防・早期発見
    を行っています。

糖尿病は「コントロールできる病気」です。
一緒に健康的な生活を続けていきましょう。

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