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子どもに多い「溶連菌感染症」〜わかりやすく解説〜
小児科病児保育
溶連菌(ようれんきん)ってどんな特徴?
「溶連菌感染症」は、A群溶血性レンサ球菌という細菌がのどに感染して起こります。
3歳〜小学生に多く、冬から春・初夏にかけて流行します。
咳やくしゃみなどの飛沫や、手を介した接触でうつります。
主な症状
風邪と似ていますが、少し違う特徴があります。
- 急に38〜39℃の高熱
- のどの強い痛み
- のどが赤く、白い膿がつく
- 発疹やいちごのような舌が出ることも
- 咳や鼻水が少ない
おなかが痛くなったり、吐くこともあります。
これらの症状がそろっていたら、溶連菌が疑われます。


診断のしかた
のどの粘膜を綿棒でこすって調べる迅速検査を行います。(インフルエンザと違って口から行います。)
数分で結果が出る検査で、必要に応じて細菌培養も行います。
3歳未満では検査が必要ないこともあります。
治療と薬
原因が細菌なので、抗菌薬(抗生物質)で治療します。
主にアモキシシリンなどのペニシリン系を使い、10日間飲み切るのが大切です。
※ 途中でやめると、菌が残って再発したり、まれに「合併症」を起こすことがあります。
抗菌薬を飲み始めて24時間以上たち、熱が下がって元気が戻れば登園・登校OKです。
時折重篤な合併症が起こることも
ほとんどの子どもは数日で回復しますが、まれに次のような合併症が起こることがあります。
| 合併症 | 起こる時期・特徴 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 急性糸球体腎炎 | 発症1〜3週間後 | 顔や足のむくみ、尿が赤い・泡立つ |
| リウマチ熱 | 発症2〜3週間後 | 発熱、関節の痛み、動悸、だるさ |
| 猩紅熱(しょうこうねつ) | 発疹が広がるタイプ | 赤い発疹・いちご舌・皮むけ |
これらはきちんと抗菌薬を飲み切ればほとんど防げるとされています。
治療後も、尿の色・むくみ・発熱が続く場合は再受診してください。
登園・登校のめやす
- 抗菌薬を飲み始めて24時間以上経過
- 熱が下がって元気があれば登園・登校OK
園や学校によって指示が異なる場合があります。
主治医・園・学校の指示に従ってください。
家でのケアと予防
- 手洗い・うがいをこまめに
- タオル・食器を共有しない
- 咳・くしゃみはティッシュやひじでカバー
- 十分な睡眠と栄養をとる
兄弟姉妹への感染を防ぐために、家族みんなで予防しましょう。
こんなときは早めに受診を
- つばも飲めないほどのどが痛い
- 顔や足のむくみ、尿の色が赤い
- 熱が長引く、ぐったりしている
- 発疹が広がる・皮がむける
症状が強い、または再発をくり返す場合は、早めに医療機関へ。
小野クリニックでの対応
当院では、
- のどの迅速検査
- 症状に合わせた抗菌薬処方
- 登園・登校許可の診断書発行
を行っています。
再発・合併症予防のため、お薬は最後まで飲み切りましょう。
病児保育「おのっち」もご利用ください
溶連菌などの感染症にかかったお子さんは、治るまで家庭での看病が大変なこともあります。
小野クリニックでは、神戸市委託の病児・病後児保育室「おのっち」を併設しています。
- 医師の診察のうえでお預かりが可能
- 看護師・保育士が常駐し、症状の変化を随時記録
- 保護者の方は「あずかるこちゃん」アプリで体温や食事の様子をリアルタイム確認
お気軽にご相談ください。
「おのっち」の予約はオンラインで受け付けております。
予約はこちらからお願いします。(満員の際はかかりつけのこどもが優先となります。ご了承ください。)
まとめ
- 溶連菌感染症は正しい治療でほとんどが完治します。
- ただし、ごくまれに腎炎やリウマチ熱を起こすことがあるため、薬を最後まで飲み切る・再受診をためらわないことが大切です。
- のどの痛みや発疹が続くときは、早めに医師に相談を。
「たまに悪くなる」ことを正しく知ることで、ほとんどのお子さんが元気に回復できます。
🏥小野クリニック(循環器内科、消化器内科、外科、小児科)
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