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高血圧の症状と治療法 〜より安全で効果的な血圧管理を目指して〜

こんにちは、小野クリニックです。
当院は神戸市須磨区須磨寺で、循環器内科・消化器内科・外科・小児科を標榜し、地域の皆様に寄り添った医療を提供してまいりました。

今回は、2025年に6年ぶりの改訂が行われた**高血圧治療ガイドライン(GL2025)**の内容も踏まえて、「高血圧の症状と治療法」についてお話しします。

高血圧とは、心臓から送り出される血液が血管に過剰な圧力をかけ続けている状態のことです。
診察室で測った血圧が140/90mmHg以上なら高血圧と診断されます。家庭で測る場合は135/85mmHg以上が基準です。

GL2025では、この「家庭血圧」の重要性がさらに強調されました。
家庭での測定は、診察室での緊張や一時的な変動の影響を受けにくく、日常の血圧を正確に反映します。特に起床時と就寝前の測定は、治療効果の判定や生活習慣の見直しに役立ちます。

脳卒中は、血圧が上がる**起床後の数時間(特に6〜10時)に発症が多いことが知られています。
これは、いわゆる
「モーニングサージ(朝の血圧急上昇)」**と呼ばれる現象で、

  • 交感神経の活性化(心拍・血圧上昇)
  • 血液の粘り(濃さ)の増加
  • 睡眠中の軽い脱水

などが重なり、脳や心臓の血管に負担がかかります。
朝の血圧管理を重視することで、脳卒中や心臓病の予防につながります。

これまで降圧目標は年齢や病気によって細かく分かれていましたが、GL2025ではシンプルに年齢を問わず以下の数値を目指すことになりました。

  • 診察室血圧:130/80mmHg未満
  • 家庭血圧 :125/75mmHg未満

ただし、やみくもに下げるのではなく、高齢者や持病のある方は体調や副作用の有無を見ながら安全に降圧することが大切です。

            出典:高血圧治療ガイドライン2025

高血圧のほとんどは「本態性高血圧」と呼ばれ、明確な原因は特定できませんが、次のような要因が関係します。

  • 遺伝(家族に高血圧の人がいる)
  • 塩分のとりすぎ
  • 肥満
  • 運動不足
  • ストレス
  • 飲酒・喫煙
  • 加齢

腎臓病やホルモン異常などが原因の「二次性高血圧」もあり、この場合は原因治療が必要です。

多くの場合、高血圧は無症状で進行します。
一方で、次のような症状が出ることもあります。

  • 朝の頭痛や頭重感
  • めまい・ふらつき
  • 耳鳴り・肩こり
  • 動悸・息切れ
  • 顔のほてり

症状がなくても血管は少しずつ傷つき、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気のリスクが高まります。

長期的な高血圧は、全身の血管や臓器にダメージを与えます。代表的な合併症は次の通りです。

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
  • 心筋梗塞・狭心症
  • 心不全
  • 腎機能障害(慢性腎臓病)
  • 大動脈瘤・大動脈解離

GL2025では、合併症の予防のため、血圧が高めのうちから積極的にコントロールする方針が示されています。

1. 生活習慣の見直し(治療の柱)

GL2025では、薬より先に生活習慣改善に取り組むことが強調されています。

  • 減塩:1日6g未満を目標(味噌汁や加工食品に注意)
  • 野菜摂取:カリウムが血圧低下に有効
  • 体重管理:BMI25未満を目指す
  • 運動習慣:週3〜5回の有酸素運動(ウォーキングなど)
  • 禁煙:血管を守る最大の予防策
  • 節酒:適量を守り、休肝日をつくる
  • 睡眠:質の良い睡眠は血圧安定に重要

「減塩は薬と同じくらい効く」とも言われ、日々の食生活が治療の第一歩です。

2. 薬物療法

生活習慣の改善だけでは血圧が下がらない場合や、合併症リスクが高い場合は、薬を併用します。
GL2025では、開始から1か月以内に薬物治療を検討し、必要に応じて早期に併用療法を行うことが推奨されています。

代表的な薬は以下の通りです。

薬の種類特徴
Ca拮抗薬血管を広げる
ARB/ACE阻害薬ホルモン作用を抑え、腎保護にも有効
利尿薬余分な水分・塩分を排出
β遮断薬心拍数を抑える

小野クリニックでは、家庭血圧や生活背景も踏まえて、安全で効果的な血圧管理をサポートします。
「病院だと高く出る」「薬を始めるタイミングが分からない」といったご相談も歓迎です。

高血圧は症状がなくても進行し、ある日突然大きな病気を引き起こします。
最新のガイドラインでも、「今から始めること」が命を守ると明言されています。
健康な今だからこそ、一歩踏み出してみませんか?